新入社員の社会保険標準報酬月額と決め方
法律
新入社員の社会保険
資格取得・保険料
-概要-
社保
- 2015.07.06 -
更新 - 2017.04.03 -
標準報酬月額とは
標準報酬月額は、社会保険料(健康保険、厚生年金保険)の計算に必要な要素です。
社会保険料は、社員の給与等の大きさに応じ、決まります。
そして、当該給与の大きさを、等級に分類したものが、標準報酬月額表です。
健康保険(全国健康保険協会管掌)、厚生年金は以下の等級に分かれています。
- ・健康保険:50等級
- ・厚生年金:31等級
簡単に言えば、給与が多い→等級が上がる→社会保険料が上がる、という考え方です。
(
社会保険料額のシュミレーションはこちら
もご参照下さい)
以下では、新入社員が入社したときの、報酬月額の決め方について、見ていきます。
(入社手続きについては、
新入社員の入社手続き(社会保険、給与計算)
もご参照下さい)
標準報酬月額と社会保険料計算の具体例
まず、具体例を挙げて、標準報酬月額と社会保険料の関係について、見ていきます。
仮に、月給:20万円、22歳の新入社員がいたとしましょう。
まず、標準報酬月額表を確認します。
現在の月額表は以下のようになっていました。
等級 | 報酬月額(円) 以上~未満 |
健康保険料 折半額(円) |
厚生年金保険料 折半額(円) |
---|---|---|---|
16 | 185,000 ~ 195,000 |
9,585 | 16,600 |
17 | 195,000 ~ 210,000 |
10,090 | 17,474 |
18 | 210,000 ~ 230,000 |
11,099 | 19,221 |
20万円ですので、社会保険は、上記17等級に該当します。
よって、健康保険料:10,090円、厚生年金保険料:17,474円、と決まります。
定時決定と標準報酬月額
標準報酬月額は、原則、年一回、見直されます。
これが定時決定という制度です。
社員の給与は、年または月によって、変動します。
そこで、年一回は社会保険料を見直そう、というのが制度趣旨です。
具体的には、4月、5月、6月の給与支給額を元に、計算します。
原則、当該支給額の平均が、標準報酬月額に決まります。
通常、ここで決められた標準報酬月額(社会保険料)は、向こう1年間適用されます。
なお、残業代は、定時決定において、計算要素とされます。
『4月、5月、6月、は残業を抑制しよう』
とされるのは、この所以です。
新入社員と標準報酬月額
新入社員の場合、まだ給与実績がありません。
よって、4月、5月、6月、といった定時決定は利用できません。
そのため、資格取得時決定を行います。
これは、入社時に1カ月分給与を見積もり、標準報酬月額に当てはめる作業です。
その際の注意点は、以下の通りです。
- ①固定的給与は全て入れる
- (基本給のみならず、非課税通勤費等も)
- ②変動的給与(残業代等)は見積もりで入れる
- ③臨時的給与(例:大入り袋等)は含めない
4月入社の新入社員の場合、当該標準報酬月額は、8月まで適用されます。
その後、4月、5月、6月の給与実績が上がってきますので、定時決定が行われます。
定時決定後の新標準報酬月額および社会保険料は、9月から適用されます。
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